東武鉄道は、日光線系統の特急「スペーシア」として使用されている100系(南栗橋車両管区春日部支所所属)の後継となる新型特急車両「N100系」を、2023年に導入すると公式発表した。

コンセプトは「Connect & Updatable ~その人、その時と、つながり続けるスペーシア~」とし、鉄道の物理的なつながりに留まらず、様々な情報やサービスを更新し提供することで、車両に乗り込んだ瞬間から、旅客それぞれにとって「自分だけの最適な日光・鬼怒川エリア」とつながることが出来、何度も日光・鬼怒川エリアを訪れたくなる特急を目指すとしている。
車両デザインは、現在の100系「スペーシア」のフォルムを現代に進化させ、カラーリングは日光東照宮陽明門・唐門・御本社に塗られた「胡粉(ごふん)」の白を彷彿とさせる高貴な白をイメージし、窓枠は栃木県鹿沼市に伝わる組子や、竹編み細工といった江戸の手仕事を思わせる丁寧につくられた工芸品のような佇まいで、大切なものを包み込んでいるかのような期待を演出するとしている。
車内設備は、現在の100系「スペーシア」浅草方先頭車(6号車・モハ100-6)に設置されている「個室席」を継承するほか、ラウンジやカフェカウンターなど、新たに様々なタイプの座席を用意することで、より上質な空間を提供するとしている。

製造は日立製作所が担当し、2013年に営業運転を開始した野田線(東武アーバンパークライン)60000系以来、10年ぶりに担当する。
N100系の愛称は、現在のところ未定としているが、関係筋によると「スペーシア」を冠する愛称となる見通しで、東武鉄道は「スペーシア」を冠する名称の商標登録出願を行っていることが、11月30日(火曜日)に判明した。

【新型特急車両「N100系」の概要】
■愛称…未定
■導入車両数…6両固定編成4本(24両)
■編成あたりの座席数…212席
■導入路線…伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・日光線・鬼怒川線 浅草~東武日光・鬼怒川温泉駅間
■導入時期…2023年を予定
■製造事業者…株式会社日立製作所
■その他
本特急列車運行の使用電力相当分について、東京電力エナジーパートナー株式会社の「FIT(※1)非化石証書」を活用したメニュー(※2)などを使用し、二酸化炭素排出量実質「ゼロ」となる電力に置き換える。また、東武鉄道では初めてとなる「高度な除菌消臭機能」を有する空気清浄機などを搭載し、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策を図る。
(※1)FIT(Feed-In-Tariff=固定価格買取制度):太陽光や風力などの「再生可能エネルギー」に由来する電気を、国で定めた価格で買い取るように電力会社に義務づけるための制度。日本では2012年に制定(2017年4月に改定)された。
(※2)東武鉄道グループが保有する太陽光発電由来の環境価値が付いた電力を活用し、また沿線地域の太陽光発電の環境価値も積極的に取り込みながら、地域の脱炭素化に貢献するというもの。

【おことわり】
記事の内容を、2021年12月1日(水曜日)に一部追記しました。
【参考リンク】
東武鉄道公式サイト