東武鉄道は、伊勢崎線(東武スカイツリーライン)東武動物公園駅西口の旧杉戸工場(2004年3月閉鎖)跡地にて建設中の「東武動物公園駅西口商業施設」を、2021年9月16日(木曜日)に開業すると公式発表した。

地域コミュニティにつながる駅前開発として、宮代町および杉戸町で暮らす住民の利便性向上と、東武動物公園をはじめとした同地域への来訪者と地域住民との交流を生み出す商業施設を目指し、東武ストア東武動物公園駅前店と無印良品東武動物公園駅前が出店する。

同施設では、地域産品・生鮮食料品・生活雑貨などの販売により、地域住民の日常生活を支えつつ、地域に開かれた交流広場「みんなの広場」の整備、飲食店営業などのビジネスへの挑戦を後押しするシェアキッチンの設置、高齢化が進む地域のニーズを捉えた移動販売など、地域課題解決や地域活性化につながるサービスを提供するとしている。

東武ストア東武動物公園駅前店(営業時間9時00分~21時00分)では、地場野菜などの地域産品の販売、移動スーパー「とくし丸」の運行を予定している。
食品を中心としたスーパーマーケットとして、青果・鮮魚・精肉・惣菜・加工食品・日配食品・生活雑貨をはじめとして、店内で調理した出来立てのお弁当・お惣菜・お寿司などの提供を行い、品質・鮮度・品揃え・価格・サービスの充実した売場づくりを目指す。
ライフスタイルに合わせて「少量商品」「大容量商品」「簡便商品」「即食商品」の品揃えを充実させるほか、交流広場「みんなの広場」にて食事が出来るよう、テイクアウト出来るメニューも販売するほか、店舗内には「リトルマーメイド」「モスバーガー」を配置する。
無印良品東武動物公園駅前(営業時間9時00分~21時00分)は、ワークショップの開催など、自身が持つ特技を生かして誰もが自由に利用出来るレンタルスペース「Open MUJI学び舎」や、飲食店営業とお菓子の製造・販売の一連の活動を経験出来るシェアキッチン「みんなの台所」、地域ならではの魅力と楽しみ方を案内する「まちの案内所」など、同店舗独自のサービス・取り組みを展開するとしている。
着心地の良いウエアや、素材にこだわった食品、使い勝手を考えたシンプルで機能的なステーショナリーや家具まで、くらしまわりのすべてが揃うとしている。

同施設はかつて、東武鉄道杉戸工場があった場所で、1945年7月の開設から2004年3月の閉鎖までの約59年間にわたり、西新井工場(跡地は現在のリライズガーデン西新井および亀田トレイン公園)と共に、貨物列車(2003年9月に全廃)用の電気機関車・貨車をはじめ、敷地面積の関係で3000系グループ・5000系グループ・6050型・8000系(2両編成・4両編成)といった短編成車や、熊谷線(1983年5月に廃線)キハ2000形気動車の検査も担当していた。

杉戸工場の閉鎖後も、東武動物公園駅の西口は、約10年間にわたり、西口出入口(現在の西口駅前広場前の交差点付近にあった)から改札口までの敷地を跨ぐ長い跨線橋と、狭隘なロータリーなど周辺住民にとって不便が強いられてきたが、2011年12月より宮代町と独立行政法人都市再生機構による再開発事業が着手され、2015年2月に新しい西口と駅前広場の供用が開始されたことで、それらの不便がようやく解消された。

同施設も、その再開発事業の一環として、2020年6月末に着工し、進められてきたもので、今後の東武動物公園駅西口周辺の発展に期待したい。
【参考リンク】
東武鉄道ニュースリリース(2021年8月13日付)
東武鉄道ニュースリリース(2020年6月29日付)
無印良品公式サイト