東武鉄道では、東京地下鉄(東京メトロ)日比谷線直通車の「二代目」として活躍してきた20000系グループの中で、2020年3月27日(金曜日)の営業運転最終日まで活躍し、尚且つ所属先である南栗橋車両管区春日部支所において最後まで留置されていた20050型21855編成が、2021年4月12日(月曜日)に伊勢崎線北春日部駅から佐野線渡瀬駅(資材管理センター北館林解体所)へ回送された。

廃車のための回送と思われ、これによりロイヤルマルーン色の帯を巻いた「オリジナルの20000系」は、全編成が姿を消すこととなり、現在も活躍する20000系グループは、日光線南栗橋駅以北で運転されている20400型グループ(20410型・20420型・20430型・20440型)のみとなる。
東京地下鉄(東京メトロ)日比谷線直通車の「三代目」として、2017年7月7日(金曜日)に営業運転を開始した70000系と、2020年3月20日(金曜日)に営業運転を開始した「THライナー」用の70090型の投入により、70090型営業運転開始から僅か1週間後となる2020年3月27日(金曜日)をもって、ロイヤルマルーン色の帯を巻いた「オリジナルの20000系」による営業運転が総て終了し、今回回送された21855編成は、その営業運転最終日まで営業運転を続けていた「オリジナルの20000系」2編成のうちの1編成であった。

20050型は、埼玉県春日部市を舞台にした漫画「クレヨンしんちゃん」のテレビアニメ放送が始まった年でもある、1992年12月に営業運転を開始し、1994年8月までに製造された全8編成のうち、3編成が東京急行電鉄電鉄系列の東急車輛製造(現在の総合車両製作所)で、5編成が阪急電鉄系列のアルナ工機(現在のアルナ車両)で製造された。

20050型の特筆すべき点として、ラッシュ時における乗降を円滑にするため、前後各2両(クハ21850形・モハ22850形・モハ27850形・クハ28850形)が「1両片側5扉構造」となっており、先頭車非常口扉には「5DOORS」マークを掲出していたほか、始発駅ならびに日中時間帯における運用も考慮し、第2扉および第4扉を締め切り扱いとすることも出来た。
なお、20000系グループのうち、日光線南栗橋駅以北で運転されている20400型グループ(20410型・20420型・20430型・20440型)への改造工事が現在も続けられているほか、更に一部の編成は、地方民鉄への譲渡に向けた改造が行われると見られる表記が確認出来たことから、今後の動きについても注目したい。